自動車の運転免許を取得する方法は、3つあります。
その中でも、多くの方が選ぶことになる、
・免許合宿に参加
の2つに焦点をあてて、メリットやデメリット、特徴や違いについて紹介します。
私は北海道の自動車教習所で7年半、教習指導員として勤務した経験があります。
通学で通った生徒さんや、免許合宿の生徒さん合わせて、数百名を受け持ちました。
実際の生徒さんからの感想やリアクションを参考にして、今回の記事を作成しています。
通学と免許合宿で迷っている方は、記事を参考にして選んでみてくださいね!
免許を取得する方法は3つ
自動車教習所に通学
自動車免許を取得するとき、多くの人がイメージするものは通学です。
自宅から通うことができる自動車教習所に通い、卒業を目指します。
私自身も18歳のときに免許を取得していますが、自動車教習所に通って免許を取得しました。
免許合宿に参加
免許合宿はその名のとおり、教習所が用意する合宿先に滞在して教習を受けます。
一番の特徴としては、超短期間で免許を取得する方法であるということです。
全国の教習所が免許合宿生を募集していますが、免許合宿自体の存在を知らない方も、意外と多くいます。
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試験場の一発試験(飛び込み試験)
最後の一つが、公安委員会が行う一発試験です。
飛び込みで試験場に申し込みをして、運転技能と学科の試験を受けることができます。
試験は「警察官」が担当します。
求められる運転技能や学科の能力は、一般の道路を安全かつ円滑に走行できるものでなければなりません。
運転に関する練習や勉強をしていない人が、この一発試験に申し込みをしても、基本的に合格できません。
だから多くの方が、自動車教習所へ入校し、
・運転に関する知識
について学んで、卒業証明書の取得を目指すのです。
そして教習所を卒業することができれば、「一定の運転技能を持っている」という証拠が得られるので、試験場で運転技能の試験が免除されることになります。
一発試験の存在も、知識として知っておきましょう。
一般的な免許取得の流れでは、試験場で「学科試験」のみ受験します。
通学教習のメリット・デメリット
ここでは、通学教習のメリットとデメリットを紹介します。
メリットとデメリットを把握し、通学での免許取得の参考にしてください!
通学教習のメリット
自分のペースで通うことができる
通学で教習所に通う場合、自分の予定に合わせて教習予定を組んで進めます。
時間を自由に使える方であれば、どんどん教習を進めることができます。
逆に普段の活動が忙しい方であれば、ゆっくりと教習を進めることが可能です。
自分の活動に合わせ、自分のペースで教習を進められることは大きなメリットです。
自宅から通うことができる
自宅から教習所に通うことは、安心できる要因の一つです。
運転の練習や学科の勉強は、慣れないことの連続ですよね。
親御さんやご兄弟が、すでに免許を取得している場合も多いので、相談もできます。
難しかったことや、大変なことをすぐに相談できる環境は有り難いものです。
学校や仕事、バイトとの両立ができる
学校や仕事、バイトが忙しい方であっても、教習所との両立は可能です。
教習所によっては、夜間や土日の教習を行っています。
お休みの日や仕事終わりに教習所に通うことができるんので、本業をおろそかにせずに済みます。
路上教習は見慣れた道
教習を進めていくと、第2段階では実際の道路を走ること(路上教習)になります。
いつもは徒歩や自転車で活動している道を、自分がハンドルを握って走行していることに、多くの生徒さんは違和感を感じるかも。
ただ、いつも見慣れた道を走行することは、安心感にもつながりますよね!
こんな素敵なことを言う生徒さんが、実際にいましたよ✨
送迎バスを利用できる
多くの教習所では、送迎バスが用意されています。
もちろん無料で利用することができるので、交通手段に困ることなく通学できます。
最近では、スマホ一つで予約ができたり、送迎バスの場所をリアルタイムで教えてくれたりと、最新のシステムを取り入れている場所も多くあります。
通学教習のデメリット
卒業までの期間が長くなることがある
メリットでもお伝えしたように、通学は自分のペースで教習を進めることになります。
仕事をしていたり、学校に通ったりしていると、当然教習の進みが悪くなることも。
早くても数ヶ月、中には半年以上かかって卒業する方もいたりします。
教習の料金が高くつく場合がある
この後に説明しますが、免許合宿と比較すると通学の方が料金が高いのです。
とても謎な現象なのですが、事実なのでお伝えしておきます。
通学で教習所に通う場合、期間も長くなるし、料金も高くなることはご理解ください。
混雑する時期には予約がとれない
教習所が忙しい時期は主に2つあります。
大学生たちが自由に通える夏休みの時期と、高校生たちが進学や就職前に通う冬休みの時期です。
教習所の指導員の数や教習車の数にもよりますが、全然教習の予約がとれず、教習が進まないトラブルが結構あります。
入校時するときには空いていても、突然込みだすなんてことは、普通に起こりうるのです。
急いでいる方にとって、混雑時期になかなか教習をすすめられないことは、大きなデメリットです。
モチベーションを保つのが難しい
仕事をしていたり、学校に通っていると、休むことは何より大切ですよね。
そんな状況でも、休みの日に教習所に通う必要が出てきますので、モチベーションの維持がなかなか大変です。
また教習自体に楽しみを見いだせない方もいます。
運転がなかなか上達しないとか、いつも指導員に同じことを指摘されてしまうとか。
さまざまな理由からモチベーションが下がってしまい、中には通うこと自体が辛くなってしまう方もいます。
免許合宿のメリット・デメリット
続いては、免許合宿のメリットとデメリットです。
免許合宿のメリット
超短期間で卒業できる
通学で教習所に通った場合、卒業までに通常2~3ヶ月、早くても1ヶ月かかります。
免許合宿の場合は、ストレートに進んだ場合、約2週間ほどで卒業することができます。
時間を有効に活用し、超短期間で卒業できることは、大きなメリットといえます。
教習の料金がとにかくお得
通学のデメリットでもお伝えしましたが、免許合宿は料金がとにかくお得です。
免許合宿のプランには、交通費の補助や宿泊費、3食の食事がついているところが多くあります。
そんな内容にも関わらず、“通学で教習所に通うよりも総額が安い” ことがあるのです。
ぶっちゃけ、意味わからないですよね。笑
自分でスケジュールを管理する必要がない
免許合宿の場合は、技能や学科の教習時間など卒業までのスケジュールが全て組まれている状態で入校します。
指導員との教習予約や、取得する学科教習を選ぶ必要がないので、スケジュール管理の手間が全くありません。
ただ寝坊したり、教習を受け忘れたりすることだけには注意が必要です。
※スケジュールの変更や組み直しは、職員の方に迷惑がかかります!
免許合宿に力を入れている教習所が多い
裏話的な内容になりますが、少子化の影響を受けて自動車教習所の入校生は年々減っています。
ですから、教習所の存続をかけて免許合宿に力を入れているところも多くあります。
そのため、“免許合宿に参加する方への待遇” がとても優遇されるのです。
中の人をやっていたのでわかりますが、明確に優遇されます。
全国から参加する免許合宿生は、次の後輩たちへの口コミをすることもあり、教習所からすると、手を抜いたサービスは絶対にできません。
以上のことから、免許合宿に力を入れている教習所が多く、かつ来てくれた免許合宿生は、なおさら大切にされることがわかります。
思い出を作ることができる
免許合宿のメリットの一つとして、観光に行って思い出作りができることです。
免許合宿のプランによっては、教習を入れない休日を作り、観光に連れて行ってくれる場所もあります。
学生の方であれば、免許合宿自体が「卒業旅行」として成立するかもしれません。
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免許合宿のデメリット
まとまった休みが必要
免許合宿に参加するためには、最低でも2~3週間のまとまった休みが必要です。
最短の2週間とは、教習や検定がストレートで進んだ場合ですので、やはり余裕をみておく必要があります。
学生の方が、長期の休みに免許合宿に参加することが多くなるのは、このことが理由です。
待機時間が多くなる場合がある
先ほどにもお伝えしましたが、免許合宿のスケジュールは基本的に教習所が用意します。
教習所には、当然たくさんの生徒さんがいるので、待機時間が多くなるスケジュール設定になることもしばしば。
教習と教習の間がたくさん空いてしまうと、ヒマを持て余してしまいますよね。
スケジュールを自分で組まない分、このような弊害が出るおそれがあります。
慣れない環境が苦手な人がいる
今まで住み慣れた場所を離れることは、ストレスに感じる方もいるはずです。
また免許合宿開始時には、体験したことのない運転操作や、習ったこともない勉強をしなければなりません。
免許合宿期間は基本的に帰宅できない
免許合宿はスケジュールが決められているので、基本的には帰宅することができません。
私が担当していたときには、「就職の面接のために一時的に帰る」という方もいました。
その場合は、教習所側がスケジュールを組み直すことになりますし、その分の移動費は自己負担となる場合がほとんどです。
就職面接などのやむを得ない場合を除き、基本的には期間中に帰宅することはできません。
教習所の道路環境と地元の道路環境が違う
免許合宿に通う生徒さんの多くが心配することがあります。
それは、地元の道路に戻って運転ができるか心配であること。
確かに、教習所で練習する道路環境と、地元の道路環境はかなり違うはずです。
車線の数や歩行者の数など、練習した環境と地元の環境が違うことはデメリットといえそうです。
通学と免許合宿の比較
ここでは、通学と免許合宿を比較してみたいと思います。
通学 | 免許合宿 | |
教習の料金 |
28万円〜32万円 一般的な教習料金は、これくらいの価格帯です。 教習所によって、設定はさまざまあります。 |
20万円〜30万円 キャンペーンなどを利用すると、20万円を下回る場合もあります。 この中に、宿泊費や交通費の補助、食費も含まれます。 |
在校の期間 |
2ヶ月〜3ヶ月かかる 教習の期限は9ヶ月と決められています。 多くの方は、2〜3ヶ月で卒業します。 |
2週間〜3週間程度で卒業 最短で2週間で卒業することが可能です。 検定が不合格になると、当然卒業する日がずれ込みます。 |
交通費の支給 |
支給なし 自宅近くの教習所に通うので、交通費等の支給はありません。 その代わり、送迎バスでの送り迎えがあります。 |
支給あり 免許合宿の多くの場合、交通費の補助があります。 免許合宿先によっては、多少自腹しなければならない場合も。 |
保証の有無 |
保証は別料金 上で説明した料金以外にも、さまざまな保障プランがあります。 各種保証を受けたい場合は、別に料金が発生してきます。 |
保証付きのプラン 免許合宿のプランによっては、あらかじめ保証がついています。 普段であれば追加料金が発生することも、タダになります。 |
出会いの有無 |
出会いが少ない 地元の教習所ですから、新しい出会いは少ないかもしれません。 中学生の同級生に会う機会はたくさんあります。 |
出会いが多い まったく知らない土地ですから、出会う人が多いのです。 免許合宿仲間との出会いも、多くあります。 |
教習の間隔 |
間隔が空いてしまう 混雑しているときは、教習の日程が空いてしまうことも。 継続して運転しないことにより、運転技能の心配が出てきます。 |
間隔が空くことがない スケジュールが決められているので、間隔が空きません。 間隔が空かずに練習できるので、技能の上達も早くなりがちです。 |
どっちがおすすめ?
私の個人的な意見としては、免許合宿をおすすめします。
理由としては、
・超短期間で卒業したい
・スケジュールの管理などが面倒
・料金がお得な方がいい
これらのことから、私がもう一度免許を取得するとしたら、免許合宿を選択するからです。
数ヶ月もかけて免許を取得することは、時間がもったいなく感じてしまいます。
しかも、料金も安いんですよ?笑
免許合宿を選ばない手はありません。
このように、自分が免許を取得するために大切にしたことを考え、通学か免許合宿かを選ぶようにしましょう!
まとめ
今回は通学と免許合宿、どっちがいいかについて、元指導員の目線でお伝えしました。
通学、免許合宿のメリット・デメリットをしっかりと確認して、自分にとって何を大切にしたいか考えましょう!
多くの方にとって、免許を取得する機会は人生に一回です。
一回しかできない経験ですから、楽しく有意義な時間になることを祈っています。
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