メタバースは、ゲームで遊ぶことや仕事での会議以外では、どのような活用法があるでしょうか?
今回はメタバースの可能性の一つとして、“バリアフリー”に関することを考えてみたいと思います。
現実世界ではハンデがあり難しかった行動が、メタバース内ではできるようになる。
このように考えると、メタバースの世界が流行るか流行らないかという両極端の議論ではなく、必要不可欠であるとも思えてきます。
インターネット上に新しい世界が誕生して、その世界の中ではいい意味で、“現実がリセット”されます。
人は何か新しいことができるようになると、大きな喜びを感じられるはず。
メタバースがバリアフリーにとって大きな役目を果たすと、私は確信しています。
今回の記事では、以下についてご紹介します。
・メタバースについて
私は現在、複業フリーランスとして活動しています。
特に注目しているのは、“オンラインを活用した複業”です。
いくつもの業務を掛け合わす上で、メタバースの可能性は大きいものです。
場所や時間、自分自身の状態に縛られることなく皆が活躍できる世界。
どのように行動すればメタバース上で価値を生み出すことができるのでしょうか?
メタバースだからできること
ではさっそく、メタバースだからこそできることをご紹介します。
メタバースの世界を、今までとは違った視点で見ることが大切です。
心身のバリアフリー化
身体のハンデ
身体のハンデを抱えている方は多くいます。
歩くことが難しかったり、身体が弱くて長時間の活動ができなかったり。
移動が伴うような活動や、ハードな活動は人生の選択肢から外れてしまいます。
しかしメタバースの世界では、アバター(ゲーム内のもう一人の自分)を操作しますので、現実世界のハンデは関係ありません。
極端なことをいえば、“ベッドに寝たまま”であったとしても、もう一つの世界を走り回ることができるわけです。
現実世界とメタバースを比較するとメリットは見えにくいですが、“現実世界でできないこと”と“メタバースだからできること”を考えることは、非常に大切な視点ではないでしょうか?
心のハンデ
俗にいうZ世代やα世代の方々に目線を向けてみます。
2022年現在では、Z世代は25歳以下の年齢の方々です。
私自身が25歳以下だったときのことを、少し思い出してみます。
自分が手に入れられる情報の範囲は、自分の家族や知人、学校の関係者からの情報くらいでした。
いい意味で、情報が限られていたと思います。
しかし最近では、情報が溢れかえっていますよね。
簡単に情報を手にいれられることで、他者との比較が容易にできてしまう。
“親ガチャ”という、なぞの言葉が流行するのもうなずけます。
「自分はどうして〇〇なんだろう?」
このように、理想と現実の世界に苦しんでいる若い世代の方が多くいると感じますし、今後もますます増えてきそうです。
子どもに多い病気、“起立性調節障害”が最近増えてきていると、噂レベルですが聞いたことがあります。
自律神経系の異常があり、循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患。
立ち上がるときに血圧が低下したり、心拍数があがったり、調節に時間がかかる症状。
自律神経ですから、身体的な要因よりも、“心理的·精神的·環境的要素”が大きく関わっていると考えられますよね。
現実世界において、楽しいことがあればそれは素晴らしいことです。
しかし辛い思いをしている人がいるのも事実。
現実世界以外の選択肢の一つとして、メタバースが心のハンデを解消する場所となるのではないでしょうか?
コミュニケーションの壁
今となっては偉そうに、YouTubeで発信をしたり、ブログを更新している私です。
しかし、中高生時代や社会人になりたてのころは、完全な“コミュ障”でした。
人に話しかけるという行為が、とてもストレスに感じてしまうのです。
コミュニケーションは、生きていく上で大切なスキルなのは間違いありません。
ただ、得意不得意があるのは当然のことです。
メタバースの世界では、もう一人の自分を存在させることができます。
現実世界では自信を持ってできなかったことが、メタバースの世界ではできるようになるということは、大変素晴らしいことです✨
マイノリティデザインについて
一冊の本を紹介します。
この本の著者澤田さんは、息子さんの障がいをきっかけに、福祉の世界に飛び込むこととなります。
息子さんとの向き合い方を探し、ヒントを求めていたそうです。
そこで紹介されていたお話をご紹介します。
どれも諸説はあるようなんですが、ライターは「マッチを火でおこすには両手が必要だから、片腕の人でも火を起こせるようにしよう」というアイデアから、今の形になった。
曲がるストローは、「寝たきりの人が手を使わずに、自力で飲み物を飲めるようにするため」に。……それが今では、障害者とか健常者とか関係なくみんなが使うものになっている。
–中略–
だれかの「できない」や「障害」は、「社会を変える切り口」になる可能性があるから。
私はこの本を読んでから、世界の見え方が変わりました。
メタバースについても、ゲームとか仕事の会議だけでなく、“だれかのできない”を解消するためにどう活用できるか、という発想が必要です。
ジェンダーギャップの壁がなくなる
男女の壁
メタバース内では、男女の壁はまったく必要なくなります。
私はゲームが大好きなのですが、“キャラクターを作り込めるゲーム”が特に好き。
なぜかというと、自分のなりたい姿や容姿になることができますし、自分が素敵だなと思う人物に似せることもできてしまうからです。
メタバースの中では、アバター(ゲーム内のもう一人の自分)として生きることができます。
女性が男性のキャラクターに生まれ変わったっていいんです。
極端なことをいえば、生まれ変わることが可能になったともいえます。
最近では日本でも、ジェンダーのギャップについて、やっと議論が始まりました。
しかし正直、進み具合は遅すぎですよね。
未だに履歴書や各種入力フォームに男女の入力を求めているものもあります。
メタバースの世界では、そのような不必要なジェンダーのギャップなど存在しません。
平等の世界
現実世界では、平等を作り出すことは難しいですよね。
・学歴
・職歴
・自分の今の立場
みんなそれぞれ違う生き方をしています。
しかしメタバースの中では、10代の若い世代が、どっかの大きな会社の社長さん(メタバースにいればの話ですが……)にタメ口で話してもいいでしょう。
現実世界で不平等を感じていたものが、リセットされる世界がメタバース。
「いやいや、そんな平等とか難しいよ」
「どうせ偉そうな人とか現れるし……」
こんな声が聞こえてきそうですね。
ご安心ください。
メタバースの世界はインターネットの世界。
あまりに「あれ?この人いやだな」って思ったら、“ブロック”するという選択肢もあります。
この文化は、現実世界ではなかなか難しいものでした。
しかしSNSの普及により、自分の嫌なことはブロックして当然という文化ができあがったのです。
しかし今後メタバースの世界では、このブロックも文化が普通に行われるはず。
ユニバーサルデザインの世界を作る
ユニバーサルデザインという言葉をご存知でしょうか?
バリアフリーとは、障がい者や高齢者にとって生活の支障となるものを排除する考え方。
一方ユニバーサルデザインは、年齢·性別·人種などにかかわらず、すべての人が利用しやすい環境をつくることをいいます。
バリアフリーとしてもメタバースは有効活用できそうですが、メタバースの利活用を考えるときは、ユニバーサルデザインを意識して考えることも良さそう。
誰しもが平等に活用でき、そして楽しめるものを作っていけそうですよね。
メタバース内で雇用が生まれる
新しい雇用のかたち
メタバースの中で新しい雇用が生まれてきます。
遠く離れている場所でも仕事ができるようになりますし、雇用のかたちも“ゆるいつながり”になっていくはずです。
履歴書なんて当然必要ありません。
メタバースの中で価値を提供できれば、立派な仕事になるはずです。
実際の世界よりも“多様な世界”
新しい仕事がすでに作られていますし、マッチングも成立しています。
例えば、メタジョブというサービス。
実際に、メタバース内の案内役として、すでに職業が生まれています。
※参考情報は、5分40秒から
こちらの男性のように、家で介護をしているなど、外に出ることが難しい方が多くいます。
しかしメタバースの中であれば、“家から出ずに働きに行くことができる”
このような働き方は今後、国の壁を超えていくことでしょう。
使われる通貨は、世界共通のものになります。
「暗号資産・仮想通貨」で給料が支払われる未来がくるかもしれません。
日本だけでなく、世界中の人と働くことができるなんて、夢のような話です。
まもなくそんな世界が訪れると思いますね!!
メタバースとは
メタバースとは、メタとバースをかけ合わせた言葉です。
なんだか難しそうな言葉が並んでいますが、簡単に表現すると現実とは別の『もう一つの世界』と考えてもらえばバッチリです。
今回の記事では、メタバースとバリアフリーについて深くご紹介しています。
メタバースの基本的な知識を知りたい方は、コチラの記事をご覧ください。
メタバースをわかりやすく解説|意味や語源、注目される理由は?
まとめ
今回はバリアフリーについて、メタバースがどんな可能性を秘めているのかをご紹介してきました。
記事の中でも触れましたが、新しいビジネスやチャンスを生み出すのは、だれかの「できない」を解消することがきっかけになるかもしれません。
新しいテクノロジーを見るときに、「自分とはあまり関係ないや」と思ってしまってはもったいない。
「もしかしたら誰かを助けられるかも?」って考える方が、楽しいですよね!
それこそ、RPGゲームの勇者的な発想です。
たった一人の人を助けたいという気持ちは、もしかしたら多くの人を助けることにつながるかもしれません。
将来の活動に役立てたい!
という方は、以下の本を読むことを強くおすすめします◎